ショウジョウバエの脳に隠された“体内時計”の秘密:240個の時計細胞と神経ネットワークが明らかに

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ショウジョウバエの脳に隠された“体内時計”の秘密:240個の時計細胞と神経ネットワークが明らかに

◆発表のポイント

  • ショウジョウバエの脳における体内時計を構成する神経細胞(時計細胞)の数が約240個であることが明らかになりました。これにより、体内時計の位置の理解が進みました。
  • 時計細胞がシナプス結合を通じて他の神経細胞とどのように連携しているかがほぼ完全に解明されました。
  • この研究により、どの時計細胞がどの神経細胞に接続し、体内時計を制御しているのかが具体的にわかるようになりました。

 岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域(理)の吉井大志教授(時間生物学)、岡山大学大学院自然科学研究科の福田あゆみ大学院生らは、ドイツ・ヴュルツブルク大学とアメリカ・ネバダ大学リノ校との国際共同研究によって、キイロショウジョウバエの脳にある時計細胞(神経細胞)の全シナプス結合を明らかにしました。
 これらの研究成果は12月5日付けの英国科学誌「Nature Communications」に掲載されました。
 約24時間のリズムを生みだす体内時計の中枢(時計細胞)は、脳に存在することがヒトを含む多くの動物で明らかにされていますが、その神経回路はよく分かっていません。本研究では、神経細胞数の少ないキイロショウジョウバエを用いることで、神経連絡で重要なシナプス結合を指標に、時計細胞の神経回路をほぼすべて明らかにできました。これは、体内時計の神経科学において大きなマイルストーンにたどり着いたことを意味します。本研究成果を応用することで、より複雑な脳を持つ動物での研究が進むと期待されます。

<詳しい研究内容について>
ショウジョウバエの脳に隠された“体内時計”の秘密:240個の時計細胞と神経ネットワークが明らかに

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