創成化学学位プログラム
現代社会が直面している課題,すなわち低炭素社会の実現やSDGs目標に向けた社会変革及び今後の生産人口減少を補う国内の産業競争力強化の実現には,長期的かつグローバルな視点での対応が必要です。そのためには自然科学の基盤となる化学の分野において様々な現象を分子レベルで理解し,環境に負担の少ない物質変換を実現していくことが必要不可欠であり,これを目的として本学位プログラムを設置します。温室効果ガスの発生やオゾンホールの破壊も元をたどれば大規模な化学反応です。これらの問題解決のためには自然エネルギーの活用が必要であり,そのための太陽光発電素子や人工光合成分子の開発が必要です。また一旦生成してしまった汚染物質を除去,あるいは分解するための環境浄化型触媒の開発も重要です。さらに,様々な感染症に対しては低分子治療薬の開発が,食料の生産効率を向上させるためには環境に配慮した農薬開発が重要課題です。これらの諸課題の解決に貢献する学問体系の構築を目指していきます。