環境高分子材料学
高分子微粒子は、高分子から構成される数十nmから数μm程の微粒子です。古くから塗料や接着剤に利用されていますが、現在では医療・通信・化粧品・環境・電子部品等の幅広い分野に利用され、未来材料の鍵となる素材です。当研究室では、高分子微粒子の機能化に加え、高分子微粒子から成る材料のリサイクルにも注力しており、高分子廃棄量の増加や資源枯渇、環境汚染などの深刻な社会問題の解決に貢献する可能性があります。
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当研究室では、高分子と水から成る環境応答性ハイドロゲル微粒子を開発しています。これらは、外部環境に応じて特性を変化させ、機能分子を内部に閉じ込めて必要なタイミングで放出できるスマート材料です。独自の合成技術と計測技術を用いて、未だかつてない新しい機能を持つ微粒子の理解と制御を目指しています。更に最近では、エラストマー微粒子の優れたフィルム形成性を活かし、分子マシンを利用し、環境に調和した循環可能な強靭な微粒子フィルムを開発しました。これは医療品や化粧品に応用可能で、次世代の高分子微粒子への発展を目指し、資源枯渇や環境問題の解決を目指しています。
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この研究では、環状ホモポリマーと環状ポリマーを成分とするトポロジカルブレンドポリマーという独特のトポロジーを利用して、機械的強度や耐熱性などの物性を調整可能な高性能生分解性ポリマーの開発を行っています。 環状ホモポリマーとトポロジカルブレンドポリマーは、結晶状態や絡み合い状態を制御することができます。 独特な形態と結晶化挙動が明らかになりました。
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芳香族ポリマーは、その優れた特性を活かし、高機能材料として様々な産業分野で使用されています。しかし、これらのポリマーは、成型加工が非常に困難です。私たちは芳香族ポリマーの形態制御のためのユニークな重合システムを研究してきました。その結果、ウィスカー、リボン、らせん、異形微粒子など、多様な形状のものが得られました。この重合システムと材料は社会の持続可能な発展に向けた答えの一つです。