植物ゲノム解析学
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植物ゲノム解析学

オオムギは世界で4番目に重要なイネ科作物です。オオムギの種子の形態や品質さらに植物形態を決める農業的に重要な遺伝子を特定し、その機能を解明する研究を行っています。また、オオムギで得られた遺伝子の知見をコムギに応用することを目指しています。

  • 教 授 :武田 真 Prof. TAKETA Shin
  • E-mail:staketa@(@以下はrib.okayama-u.ac.jp を付けてください。)
  • 専門分野:イネ科作物 オオムギ 種子 品質 形態

 

研究者総覧 

オオムギの穂が白い突然変異体の遺伝生理学的解析

Aオオムギの穂が白い突然変異体、左:野生型、右:白穎(alm)突然変異体。Bトマトのオーソロガスなu変異体、左:正常なミニトマト、右:u突然変異体。

オオムギには穂が白い突然変異体があることは知られていましたが、その原因遺伝子は永く未解明でした。この変異体は劣性の1遺伝子による遺伝様式によることをもとに、マッピングにより原因遺伝子を特定しました。葉緑素の合成過程で鍵遺伝子であるGolden-like 2(GLK2)転写因子をコードすることを明らかにしました。オオムギの穂が白い突然変異体と穂が緑色の正常系統間で穂における光合成を比較したところ、穂が白い突然変異体のほうが34%低下しており、種子重も約16%減少していました。このことから、オオムギの穂の光合成は種子の充実に重要な役割を担うことを明らかにしました。オオムギの穂が白くなる遺伝子はトマトの果実が均一にうす緑色になるu遺伝子とオーソロガスな関係にあることもわかりました。穂の光合成活性をGLK2に注目して遺伝的に改良することで、良質多収のオオムギが育種できると期待されます。

穂の白いオオムギ突然変異体で光合成研究

 

 

 

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