昆虫生態学
行動・生態・進化というキーワードを基本にして,様々な環境に現存する生物多様性の謎解きに挑戦します.主に昆虫や小動物を対象にして生物の形質が多様な環境条件のもとで自然選択や性選択を主な要因とする進化プロセスによって形作られたという視点から環境と生物集団の相互作用を研究します.とくに環境変動が生物の形質に及ぼす影響について実験進化を用いて解析します.種分化,性の起源と対立,生活史進化,行動の遺伝など環境生態学の未解明な問題について進化生態学の視点から基礎と応用に及ぶ研究を行います.
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対捕食者行動(死にまねなど)の進化
昆虫は天敵に襲われるときに様々な捕食回避行動を示します。多くの昆虫は外からの刺激に反応して一時的に不動のポーズをとります。これを擬死(死にまね)と言いますが,擬死がなぜ進化したのか実証した人はいませんでした。甲虫やカメムシを用いて擬死を含む捕食者回避の行動生態学的解析を行い,その適応的意義を探ります。
死んだふりに見られた緯度クライン~北の虫は死んだふりをよく行う~(2023年03月29日)
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昆虫のリズム生態学
生物は、昼夜のサイクルや季節変化に適応した 生理機構を持っています。中でも24時間周期の行動や生理リズムは、体内時計(概日時計)から生み出されます。この体内時計は、さまざまな生物の生態とどのように関係しているのでしょうか。北で暮らす虫と、南で暮らす虫は、行動時間が違うのか?アリは、昼夜問わず子の世話をしているか?進化生態学視点から、昆虫の多様なリズム現象を研究しています。