微生物化学
主に微生物の代謝機能を解明して環境問題の解決や有用物質生産に応用する研究を行っています。鉄で呼吸する微生物,磁鉄鉱をつくる海洋生物,金属酵素の触媒機構など,タンパク質とミネラルの相互作用を分子レベルで解明する生物無機化学の新領域を開拓しています。本研究室では,遺伝子工学,タンパク質工学など汎用的な実験手法に加えて,計算化学や機械学習など情報系も取り入れた学際的な教育研究を進めています。
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硫酸還元菌のゲノム改変とヒドロゲナーゼ開発
海洋性硫酸還元菌の[NiFeSe]ヒドロゲナーゼは酸素耐性が高く、太陽光と海水から水素を製造するエネルギー転換チップの開発が期待できます。硫酸還元菌のゲノムを改変して酵素にアフィニティタグ配列を書き込み、ワンステップでヒドロゲナーゼを精製する技術を開発しています。
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鉄酸化細菌と硫黄酸化細菌の研究と応用
鉄/硫黄酸化細菌は、二価鉄や硫黄、猛毒の硫化水素などの無機硫黄化合物を食べて(酸化して)炭酸同化し、pH3以下の強酸性環境でも生育する極限環境微生物です。この様な極めて特殊な微生物の鉄や硫黄を食べる仕組み(代謝と酵素)を解明して、金属資源の回収や重金属汚染の防除への応用に取組んでいます。
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バイオミネラル形成機構の解明
生物が形成する鉱物はバイオミネラルと呼ばれます。バイオミネラルは、人工合成困難な構造、組成を持ち、様々な優れた性質を示す機能性材料です。バイオミネラルの形成機構解明は、材料科学およびナノテクノロジー分野の発展に貢献することが期待されます。私たちは遺伝子・タンパク質の網羅的解析手法をベースに、バイオミネラル形成機構の解明を目指した研究を行っています。