生物生産システム工学
我々の教育研究分野では,近い将来我が国が直面する深刻な人手不足などの農業問題に備えて,システム工学的アプローチを基本としながら,生物生産の自動化・省力化に資する農業ロボット,生物の計測を元にして最適な環境で新たな農業を提案する植物工場,農場の環境や収量などのビッグデータを元に農業をナビゲートするスマート農業などの研究を行っています。
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人手不足の切り札として,農業ロボットへの期待は,ますます大きくなっています。既に,無人走行するトラクタや田植え機,コンバインなどの商品化も整いつつあり,現場への導入も随時進んでいくことでしょう。一方,果実や野菜の選択収穫に関わるロボットは省力効果も高く,現場の需要も大きいですが,まだ課題が多く残っています。その一つが人間との協調作業で,特に安全確保が大切になります。
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植物工場では環境を制御して生産しており,人工照明などによる環境の最適化は,植物の成長という観点からだけでなく,エネルギなどの視点から展開しています。近年ではキノコなども植物工場の対象です。
スマート農業の本質は情報を有効に利活用することにあります。AIはビッグデータの関連づけが得意ですが,的確な問題提起と目標設定が必要で,AIに解けるような問題解釈に我々が介在していくことになります。