野菜園芸学
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野菜園芸学

野菜の生産に関わる生理・生態学的特性の解明と生産システム開発
トマト・イチゴ等の野菜生産に関して、栽培環境が作物の品質・収量等にどのような影響を及ぼすかという観点から研究を進めています。最近は特に、施設栽培における効率的な環境制御、イチゴの受粉制御に関する研究を中心に実施しています。
野菜の生産や育種への花咲かホルモン(フロリゲン)の利用に向けた研究にも取り組んでいます。キャベツやダイコンといったアブラナ科の野菜を対象にして、接ぎ木を用いて花咲かホルモンを効率よく送り込むための基礎的研究と技術開発を行っています。
その他にも、伝統野菜の品質特性の評価、キュウリ栽培における効率的かん水技術の開発、メロンやナスの栽培における飽差制御方法の開発など野菜に関する様々な研究をおこなっています。

  • 教 授 : 安場 健一郎 Prof. YASUBA Ken-ichiro
  • E-mail:ysbken@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
  • 専門分野:野菜園芸学/農業情報学

 

研究者総覧 

  • 助 教 : 元木 航 Asst. Prof. MOTOKI Ko
  • E-mail:ko.motoki.3f@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
  • 専門分野:野菜園芸学

 

研究者総覧 

野菜栽培におけるスマート農業技術の開発

野菜栽培は労働集約的な方法で生産されてきましたが、近年はコンピュータ・ICT利用技術の導入が進みつつあり省力化が進みつつあります。施設栽培におけるコンピュータ利用技術、特に、自動環境制御の手法および環境制御コントローラの開発を行い効率的な省力生産技術の体系化を目的として研究を進めています。また、イチゴの訪花昆虫の活動を評価するためにAIの利用技術の開発を進めています。

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AIを使ったキャベツの選果システムの開発

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イチゴ高設栽培における環境制御技術の開発

 

接ぎ木技術を利用した花咲かホルモンの野菜生産・育種技術への応用

花が咲く季節がくると、植物の葉では「花咲かホルモン」であるフロリゲンが生成され、これが成長点へと移動して花芽を形成します。このフロリゲンを活用することで、本来は花を咲かせるのが難しい植物からも果実や種子を収穫することが可能になるかもしれません。また、季節に関係なく花を咲かせ、育種に必要な時間を短縮できる可能性もあります。私たちは、「接ぎ木」という異なる植物同士を繋ぎ合わせる手法を利用し、フロリゲンを効率良く送り込み、迅速に開花を誘導する技術の開発に取り組んでいます。この技術を元に、野菜の生産や育種を多様化することを目指しています。
現在は主にキャベツやブロッコリー、ダイコンなどのアブラナ科の野菜をターゲットにしています。花咲かホルモンを多量に供給できる“花咲か台木”のゲノム育種、花咲かホルモンの合成を促進する環境制御法の開発、ダイコンとキャベツの間でみられる接ぎ木不親和反応の発生メカニズムの解析といった課題に取り組んでいます。

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ダイコンへの接ぎ木によるキャベツの早期開花誘導の研究

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キャベツの圃場での栽培試験

 

研究業績リスト

・安見明香里, 中川ほのか, 吉田裕一, 後藤丹十郎, 北村嘉邦, 安場健一郎: キュウリ植物体重量の日変動から見た日射および果実の有無による吸水特性. 園芸学研究(印刷中).
・Motoki K., Kinoshita Y., Nakano R., Hosokawa M. and Nakazaki T.: Investigation of the field performance of progenies obtained by a non-vernalization-grafting floral induction method in terms of application to cabbage breeding and seed production. Hort. J. 92: 66-76.
・Nguyen T. C., Sunagawa N., Sesumi M., Kitamura Y., Tanaka Y., Goto T., Yasuba K. and Yoshida Y.: Fasciation in Strawberry Floral Organs and Possible Implications for Floral Transition. Hort. J. 91(1): 58-67 (2022)
・Motoki K., Kinoshita Y., Nakano R., Hosokawa M. and Nakazaki T.: Quantitative analysis of florigen for the variability of floral induction in cabbage/radish inter-generic grafting. Plant Cell Physiol. 63: 1230–1241 (2022)
・内村優希, 吉田裕一, 後藤丹十郎, 安場健一郎: 機械学習を利用したキャベツ選果システムの開発. 園芸学研究 20(4): 469-475 (2021)
・Motoki K., Kinoshita Y. and Hosokawa M. Non-vernalization flowering and seed set of cabbage induced by grafting onto radish rootstocks. Front. Plant Sci. 9: 1967 (2019)
・Yasuba K., Kurosaki K., Hoshi T., Okayasu T., Tanaka Y., Goto T. and Yoshida Y.:  Development of Program Library using an Open-source Hardware for Implementation of Low-cost Greenhouse Environmental Control System. Environmental Control in Biology. 56(3): 107-112 (2018)

 

卒業生・修了生進路

大学院進学、国立研究開発法人(農研機構)、公務員(国家、地方)、教員(農業高校)、JAグループ、農業生産法人、一般企業(食品系、IT系など)

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