情報伝達機構解析学
移動が出来ない植物は、生育環境が如何に変化してもそれに適応することが求められます。しかし、動物のような神経系や脳を持たない植物が、どのように各組織で認知した環境の情報を統合・分析し個体として最適な対応を決定しているのかは、まだよくわかっていません。この問題に答えるため、環境ストレス応答に関連した植物ホルモン応答やクロマチン制御等を対象に、生理学、分子生物学、分子遺伝学的手法などを用いて研究を進めています。
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高等植物の環境応答機構の理解
高等植物の環境認識機構、環境情報の統合機構、更に環境の変化に対する応答の統御機構を理解したいと考えている。そのため、主にモデル植物を用いた分子遺伝学的、分子生物学的解析を行なっている。特に非生物的ストレス応答やそれに関与する植物ホルモンに対する応答の統御機構の理解と、様々な環境刺激の受容機構の解明、さらに植物のストレス状態を補足する観測技術の開発も試みている。
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気孔の環境応答および二酸化炭素輸送機構の解明
気孔は光に応答して開き,乾燥や菌類の侵入,また有害ガスの刺激などに応答して閉じるなどの運動をする.この過程において,環境情報が孔辺細胞内で変換される機構の解明に取り組んでいる。また、気孔から流入した二酸化炭素が,葉内で拡散輸送される分子基盤の解明を進めている.
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植物におけるエピゲノム調節機構の研究
遺伝子が発現し機能するためには、DNAメチル化やヒストン修飾などDNA塩基配列以外のエピゲノム情報が重要な役割を果たしている。これらの調節機構が成長や環境変化に応じて働く仕組みを、シロイヌナズナ、ゼニゴケ、オオムギなどを用いて研究を行っている。