ウイルス分子生物学
植物の生育は様々な微生物との相互作用の上に成り立っている。これら微生物の中には、植物にとって有害な病原微生物や有益なものが多数含まれている。ある種のウイルスを含む微生物は、植物に感染し(病気を引き起こし)、大きな被害を齎す。一方、植物の病原微生物に感染し、生物防除因子として機能するウイルス(ヴァイロコントロール因子)も存在する。また、植物地上部には植物の生育を促進、あるいはストレス耐性を付与する細菌/糸状菌が多数見つかっている。本グループでは、これら植物/微生物間の相互作用・鬩ぎあいの研究を下の3つの分野で進めている。
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植物/病原糸状菌/ウイルスの相互作用・鬩ぎ合いを紐解く
クリ/クリ胴枯病菌(子のう菌)/マイコウイルス、果樹/白紋羽病菌/マイコウイルスの系を使い、ヴァイロコントロール(ウイルスを用いた植物病原糸状菌の防除)の実用化、ウイルス病徴発現・複製機構の細胞レベル、分子レベルでの解明を目指している。
植物/病原ウイルス/媒介者の相互作用・鬩ぎ合いを紐解く
ラン/ウイルス/ヒメハダニ、ベンサミアナタバコ/ウイルス、ムギ類/ウイルスの系を用いて病原性、複製、伝搬性、宿主応答機構を分子、細胞、個体レベルで解析している。また、植物ウイルスのベクター化にも取り組んでいる。
ネオウイルス学の構築
これまでのウイルス学は植物あるいはヒトを含む動物に病気を起こすウイルスの研究から発展してきた。これまで見過ごされてきたウイルスの植物が絡む生態系での役割の解明、新たなウイルスライフスタイルの発見・確立を目指している。