配位化学
当研究分野では、分子構造や結晶構造に特徴があり、有用な磁気・光学特性や高選択的な反応性の発現が期待される新規な遷移金属およびランタノイド錯体の合成研究を行っている。特に、光合成における酸素発生機能を担っているマンガンクラスターのモデル化合物や、スピンクロスオーバーやクロモトロピズム挙動などの外場応答性を示す金属錯体の合成、キラル源のない材料から光学活性体を選択的に生成する絶対自然分晶の発現機構の解明に挑戦している。
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自然界におけるキラリティの発現機構の解明は重要な未踏課題の一つである。我々は、三脚状の有機分子で取り囲まれたある種の遷移金属とランタノイドイオンから成る三核錯体が、結晶化する際に片方の掌性を持つ結晶のみを選択的に析出することを発見した。ここでは、非キラル化学種から自発的にキラリティが発現している。