理論物理化学

理論物理化学

統計力学,熱力学,分子シミュレーションなどの理論的アプローチを駆使して,液体,溶液,界面,相転移,高分子,タンパク質,ウイルス,細胞などに関わる多岐にわたる研究課題に取り組んでいます.最新の研究トピックスは,疎水性相互作用の溶質分子サイズ依存性,溶質溶解度,有効相互作用,相分離に対するイオン特異的効果,三相平衡系の三重臨界点近傍における界面の構造,タンパク質の構造安定性機序と共溶媒効果による影響,生体分子モーターの設計原理とエネルギー変換効率などです.

  • 教 授 :甲賀 研一郎 Prof. KOGA Kenichiro
  • E-mail:koga@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
  • 専門分野:界面/ナノ空間/濡れ転移/相転移/溶媒誘起相互作用/疎水性相互作用/水溶液/イオン特異的効果

 

研究者総覧 

イオン特異的効果および溶質サイズ効果の理論的研究

Li+とNa+周囲の水構造の違いによるイオン特異的効果(左).水溶液中の疎水性溶質の浸透第2ビリアル係数の溶質サイズ依存性(右)

イオン特異的効果とは,塩析・塩溶等のイオン添加効果のうち,価数とイオン濃度のみでは説明できない,イオン種の独自性に起因する効果であり,海水,ソフトマターから生体内水に渡る多様な系で重要な役割を果たしている.我々は,なぜLiClはNaClよりも塩析効果が弱いのか?という未解明問題に取り組み,その微視的機構を明らかにした.もう一つの研究課題は,溶質サイズの増大とともに,疎水性相互作用,コロイド間相互作用等の溶質間有効相互作用がいかに変化するか?という問いである.現在,水中の疎水性溶質の浸透第2ビリアル係数と平均力ポテンシャルを精密に計算し,溶質サイズ依存性を解明するための研究を遂行している

 

  • 准教授 :墨 智成 Assoc. Prof. SUMI Tomonari
  • E-mail:sumi@(@以下はokayama-u.ac.jp を付けてください。)
  • 専門分野:液体・溶液/液体論/タンパク質科学/生物物理学/理論生物学

 

研究者総覧 

分子モデル/数理モデルによる生命科学の研究

数理モデルによる新型コロナ感染に対する免疫応答と持続感染

分子モデル/数理モデルによるデータ分析は,化学/生命現象を始め,様々な問題に適用可能な研究手法です.私たちはこれまで,これらのモデリング手法を駆使し,タンパク質の構造安定性機序と共溶媒効果による影響,生体分子モーターの動作機構とエネルギー変換効率,微生物の炭素代謝と進化との関係,海馬興奮性ニューロンにおけるシナプス可塑性の分子メカニズム,新型コロナウイルスに対する免疫応答と後遺症との関係,などの問題に取り組んできた

 

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