極限環境物理学
高圧や強磁場の極限環境下では、物質は通常考えられない風変わりな性質を示します。 私たちが普段知っている身の回りの物質の性質はほんの限られたものなのです。 本研究室では、それらの極限環境下で物質の未知の状態を探索しています。そのために不可欠なのは実験技術開発です。例えば、高圧実験では微小な試料空間などの制約のために、常圧で行われる多くの物性測定ができないのが現状です。 私たちはこれら未踏の実験技術の開発を行ない、自分たちにしかできないオリジナルな物性研究を追求しています。
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α-Mnは古くから知られる反強磁性金属で、単位胞内に58個ものMn原子を含みます。 圧力下で反強磁性転移温度は急激に抑制され、およそ1.4 GPaで消失します。純良単結晶を用いた圧力下の実験により、1.4 GPa以上の圧力誘起秩序相がMn原子当たり0.02 μB という非常に小さな自発磁化をもち,巨大な異常Hall効果を示すこと発見しました。 このことはα-MnがBerry曲率由来の異常Hall効果を研究するelementalかつtunableな舞台であることを示しています。