サケの稚魚の夜間自動計測実証実験に成功―照明装置付き複眼水中カメラを用いて自動計測が可能に―

RESEARCH &
PROJECT

サケの稚魚の夜間自動計測実証実験に成功―照明装置付き複眼水中カメラを用いて自動計測が可能に―

発表のポイント

サケの親魚捕獲、人工ふ化、養殖、放流は資源保護を目的に40年以上行われており、サケの回帰来遊数を増やすための人工ふ化養殖技術の発展が望まれている。回帰来遊数の増加には健苗な種苗放流が必須であり、健苗判断の一つである肥満度の確認は稚魚に麻酔をかけ、ノギスや電子天秤計を用いた計測に依存していることから、遊泳状態のサケ稚魚の自動計測技術が望まれています。
ふ化養殖場で飼育されるサケの稚魚の体長は、30~50mmと小さいうえ、飼育池中の遊泳状態での稚魚の寸法自動計測は困難でした。複眼カメラの視差利用による空間計測技術を泳ぐサケの寸法計測に応用した自動寸法計測の研究を進め、照明装置付き複眼水中カメラを用いて夜間の飼育池内を泳ぐ稚魚の寸法計測実証実験に成功しました。

岡山大学発ベンチャーのビジュアルサーボ(見浪特命教授が起業)は、ステレオビジョンを用いた空間計測について研究を行い、任意対象物の3次元位置姿勢を計測するコンピュータビジョン構築に成功しました。泳ぐ魚の3次元位置姿勢の計測が可能なためカメラ-魚間の距離が算出でき、魚の寸法を計測できます。そこで一般社団法人日本海さけ・ます増殖事業協会の協力を得て、4月14日から4月16日の間、京極ふ化場(虻田郡京極町宇川西3-6)にて、夜間飼育池内を泳ぐサケの稚魚の自動寸法計測実験を行い、成功しました。前回の実験(2月6日~2月8日)は日中に行いましたが稚魚の動きが活発でかつ密に群れることから計測が困難でした。しかし夜間は群れることなく低速で泳ぐため夜間計測が有効ではないかとの判断で、今回夜間の寸法計測実証実験を実施しました。その結果、照明装置付き複眼水中カメラを用いた新しい計測システムを用いた夜間の飼育池(100万尾を飼育)中を泳ぐ稚魚の体長計測に成功しました。

<詳しい研究内容について>
サケの稚魚の夜間自動計測実証実験に成功―照明装置付き複眼水中カメラを用いて自動計測が可能に―

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