カンキツの品種を迅速かつ簡便に識別可能なDNA検査法を確立!

RESEARCH &
PROJECT

カンキツの品種を迅速かつ簡便に識別可能なDNA検査法を確立!

発表のポイント

  • 真核生物のゲノム中に存在するレトロトランスポゾン配列を解析することで、カンキツの品種を正確かつ簡便に識別可能なDNAマーカーを開発しました。
  • さらに核酸クロマト紙を用いたDNA検出法を導入することで、DNA増幅後15分間の反応で品種識別のDNA検査が可能な手法を確立しました。

岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域(農)の門田有希准教授、進藤彰子研究員、農研機構果樹茶業研究部門の島田武彦研究領域長、愛媛県農林水産研究所の岡本充智主任研究員、株式会社ファスマックの高崎一人氏、竹内朋幸氏らの研究グループは、カンキツの品種を簡便かつ迅速に識別できる新たなDNA検査法を開発しました。近年わが国で育成された優良な品種が海外へ流出し、無断栽培される事態が発生しています。品種の育成者権を保護するとともに我が国の生産者を育成者権侵害物品から守るためには、税関等の水際において侵害物品か否かを迅速に判別できる技術の開発が必要です。しかし、これまでの手法では検査に時間がかかり、高価な機器や設備を必要とするため、現場検査に対応できませんでした。本研究ではレトロトランスポゾンという転移性DNA配列を高速シーケンサーで解析し、カンキツの品種を正確に識別できるDNAマーカーを開発しました。さらに開発したDNAマーカーで増幅したDNA産物を核酸クロマトPAS(C-PAS)法で検出することで簡便かつ迅速にDNA品種識別検査ができる手法を確立しました。本研究で開発した手法は税関での水際検査、侵害物品の検査等に利用されることが期待されます。
 本研究成果は4月27日に日本育種学会が発行する英文誌「Breeding Science」オンライン版で早期公開されました。

<詳しい研究内容について>
カンキツの品種を迅速かつ簡便に識別可能なDNA検査法を確立!

PAGE TOP