世界記録更新!IoT時代の実用暗号の解読で、2進数116桁の位数の楕円ペアリング暗号曲線に対する攻撃に成功

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世界記録更新!IoT時代の実用暗号の解読で、2進数116桁の位数の楕円ペアリング暗号曲線に対する攻撃に成功

発表のポイント

・実用暗号の一つである楕円ペアリング暗号の楕円曲線に対する攻撃成功記録を更新しました。
・1つの実験で複数回の攻撃成功を達成しました。
・攻撃手法の効率が徐々に悪化する様子を詳細に記録することにも成功しました。

 ICTの推進に伴い、日常的に機微情報を通信でやり取りする昨今、機密情報保護のための要は暗号技術です。これまでも楕円曲線暗号は大規模な解読実験によって安全性の厳密な評価がされてきました。岡山大学学術研究院自然科学学域の野上保之教授の研究チームは楕円ペアリング暗号について、約1000CPUコアのPCクラスタを用いた大規模な解読実験を実施し、2進数で116桁、つまり10進数で35桁の大きさを持つペアリング曲線上の楕円離散対数問題の解読に成功しました。
 本記録は同チームが中心となって実施した2017年の2進数で114桁の問題の解読記録を約2倍(難しさの観点で)更新する快挙です。また、通常、1回の実験で1つの攻撃成功で終えるところを複数回の攻撃をする形式に変更し、現時点で6回の攻撃成功に至っており、これも過去に例がない成果です。今後、取得データの分析を進めて学会発表にて詳細を報告する予定です。また、本成果は高機能暗号への攻撃手法の改善手法の考案にも寄与するため、実用暗号の安全性の正確な評価に関する新たな知見を提供するものです。

<詳しい研究内容について>
世界記録更新!IoT時代の実用暗号の解読で、2進数116桁の位数の楕円ペアリング暗号曲線に対する攻撃に成功

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