遺伝子・ゲノムの改変で環境変動に適応した高品質なオオムギを作る

RESEARCH &
PROJECT

遺伝子・ゲノムの改変で環境変動に適応した高品質なオオムギを作る

発表のポイント

・遺伝子組換えやゲノム編集などの‘遺伝子改変技術’は、植物が持つ重要な特性の解明に不可欠であり、迅速な品種改良にも利用されています。
・岡山大学資源植物科学研究所では、オオムギの遺伝子改変技術の精度を高め、産業上で重要な遺伝子機能の証明や農業特性の改良に取り組んでいます。
・これらの技術によって、環境問題や食糧問題の解決に貢献するオオムギ品種の作出が期待できます。

オオムギは、食用、醸造用、家畜飼料用など、多くの用途で利用される重要な作物のひとつです。岡山大学資源植物科学研究所・久野裕准教授の研究グループでは、遺伝子組換えやゲノム編集として知られる遺伝子改変技術を用いてオオムギの重要な遺伝子の機能証明や、農業特性の改良を進めています。植物の遺伝子改変技術は、品種によって成功率が異なり、ほとんどの品種では成功しません。久野准教授の研究グループでは、その理由を知るために遺伝学的な実験を行い、オオムギの遺伝子改変の効率を左右するゲノム領域を明らかにしました。一方で、ゲノム編集技術のひとつである CRISPR/Cas9 法を用いたオオムギ遺伝子の精密改変を行っています。これまでに、種子休眠の長短を決める遺伝子の改変に成功し、オオムギの発芽の調節に成功しました。また、オオムギの環境応答遺伝子の改変、ミネラル輸送に関する遺伝子の機能証明、デンプンを蓄積する細胞小器官の蛍光可視化などにも成功しています。これらの成果は、環境変動に耐性を持つ作物や高品質な品種の開発に貢献します。

<詳しい研究内容について>

遺伝子・ゲノムの改変で環境変動に適応した高品質なオオムギを作る

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