女性ホルモンが妊娠の成立に重要な卵管収縮弛緩運動を直接制御する仕組みを解明~ヒトの不妊治療や家畜の受胎率向上を目指した技術開発に応用~
◆発表のポイント
- 女性ホルモンであるエストラジオール-17β (E2) が、ウシ卵管の持続的に筋肉が縮もうとする力 (緊張度) を直接制御するメカニズムを明らかにしました。
- 平滑筋緊張度制御に関与する因子である Rho キナーゼおよび RND3 の活性の違いにより、排卵前後で E2 に対する反応性が異なりました。
- 本研究成果は、ヒトの不妊治療や家畜の受胎率向上を目指した技術開発に貢献します。
岡山大学大学院環境生命自然科学研究科博士後期課程3年の窪田早耶香大学院生と、岡山大学農学部卒業生の大河原里紗さん、岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域 (農) の河野光平助教、木村康二教授は、女性ホルモンであるエストラジオール-17β (E2) が排卵直後のウシ卵管の持続的に筋肉が縮もうとする力 (緊張度) を増加させる一方で、排卵前のウシ卵管緊張度には影響しないことを明らかにするとともに、その詳細なメカニズムの解明を行いました。
本研究において、E2 は平滑筋緊張度を制御する因子の一つである Rho キナーゼ (ROCK) の活性化を介して排卵直後のウシ卵管平滑筋における緊張度を急速に増加させた一方で、本来 E2 濃度の高い排卵前のウシ卵管においては、ROCK の活性化を阻害するタンパク質である RND3 が高発現することで、E2 による卵管緊張度増加効果が阻害されました。この制御メカニズムは、妊娠の成立に重要である適切なタイミングでの精子や初期胚輸送に関与している可能性があります。
これらの研究成果は2月16日、「Reproduction」に掲載されました。本成果は、ウシなどの家畜動物における受胎率の向上やヒト不妊治療を目指す技術開発に貢献することが期待されています。
<詳しい研究内容について>
女性ホルモンが妊娠の成立に重要な卵管収縮弛緩運動を直接制御する仕組みを解明~ヒトの不妊治療や家畜の受胎率向上を目指した技術開発に応用~