人工衛星の帯電を「光」で検知するシリコンフォトニクスセンサを開発~宇宙開発を悩ませてきた静電気トラブルに新方式で挑む~

RESEARCH &
PROJECT

人工衛星の帯電を「光」で検知するシリコンフォトニクスセンサを開発~宇宙開発を悩ませてきた静電気トラブルに新方式で挑む~

◆発表のポイント

  • 人工衛星の静電気トラブルは、衛星の主要な故障要因のひとつであるため、帯電状況をモニタリングできるセンサ開発が切望されてきました。
  • シリコンフォトニクスを基盤とする「光」を用いた原理により、小型軽量・低消費電力・耐放射線性を兼ね備える帯電検知センサ「フォトニック帯電センサ」を開発しました。
  • 数万機規模の小型衛星ネットワーク、デブリ除去、月面基地構築など、新宇宙時代の静電気リスクを解決する大学発スタートアップ創出を目指します。

 岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域(工)の髙橋和教授(本研究は大阪公立大学在籍時より開始)、大阪公立大学(博士前期課程)の大塚亘晟、髙濵渉(岡山大学特別研究生)、九州工業大学の豊田和弘教授、産業技術総合研究所の菊永和也グループ長、株式会社春日電機の研究グループは、シリコンフォトニクスを用いた「人工衛星用の静電気センサ」を開発しました。
 近年、人工衛星を活用した宇宙ビジネスが拡大しています。小型衛星ネットワーク、民間宇宙ステーション、月面基地構築など、革新的な宇宙ミッションが提案される中、衛星には新たな機能の追加が求められる一方、人工衛星の故障率低減が宇宙デブリの増加を防ぐ観点などから重要となっています。
 宇宙空間はプラズマと放射線が存在するため人工衛星は帯電しやすい環境にさらされています。この帯電に起因する静電気トラブルは衛星の主要な故障要因とされていますが、利用しやすいセンサがないことが衛星事業者を悩ませてきました。
研究チームは、シリコンフォトニクスを応用して小型軽量な宇宙用帯電センサを開発しました。センシング部に「光技術」を用いる一方で、「電子回路」を用いないため、放射線や静電気放電に対する高い耐性と、低消費電力動作が期待できます。
 本研究は大学発スタートアップ創出支援を受けて実施されました。今後は起業を通じて社会実装を進めます。まずは人工衛星の故障予知・予防への応用を目指し、将来的には宇宙保険、宇宙天気、月面基地、火星探査などへの展開を目指します。
 本研究成果は2026年2月2日、Springer Natureが刊行する英国科学誌『npj Nanophotonics』に掲載されました。

<詳しい研究内容について>
人工衛星の帯電を「光」で検知するシリコンフォトニクスセンサを開発~宇宙開発を悩ませてきた静電気トラブルに新方式で挑む~

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