新炭素材料Qカーボンでエネルギー・環境問題に挑戦

RESEARCH &
PROJECT

新炭素材料Qカーボンでエネルギー・環境問題に挑戦

発表のポイント

・身近にある炭素元素でエネルギーや環境問題を解決する材料を開発する研究を行っています。
・世界に先駆けて新材料 Q カーボンの再現に成功し、作製には原料炭素の熱的性質と照射レーザーの強さを適切に調整することが重要であることを示しました。
・Q カーボンの作製方法を確立する研究や Q カーボンを用いた省エネやエネルギーに関する研究に取り組んでいきます。

岡山大学異分野基礎科学研究所の村岡祐治准教授らの研究グループでは、省資源、省エネ、環境保全などの課題を解決するために、ありふれた元素からできる材料の開発研究を行っています。
これまでに世界に先駆けて、作製が非常に難しい新しい炭素材料 Q カーボンの作製を再現することに成功しました。Q カーボンは 2015 年に報告された新しい炭素同素体です。室温強磁性、わずかなエネルギーでの発光、ダイヤモンドを凌ぐ硬度、ホウ素添加による超伝導などの特性を示します。これらの特性は省エネやエネルギー問題を解決するうえで有用であるために、世界中で Qカーボンを再現するための研究が繰り広げられています。しかし、Q カーボンはレーザーを使った極短時間のプロセスにより生成されるためその作製が難しく、これまで発見者グループ以外に Qカーボンの作製例はありませんでした。村岡准教授らの研究グループはナノ秒*1レーザーを使用した作製プロセスにおいて、冷却度に着目して実験を行いました。その結果、溶融炭素の急冷度を厳密に制御することにより Q カーボンを作製することに成功しました。また、Q カーボンの作製には、原料炭素の熱的性質と照射レーザーの強さを適切に調整することが重要であることを明らかにしました。
これまでの研究により Q カーボンの作製方法を確立するための指針を示すことができました。今後は、Q カーボンの作製方法を確立する研究や Q カーボンを用いた省エネやエネルギーに関する研究に取り組んで行きます。

<詳しい研究内容について>

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