植物がリゾクトニア菌から身を守る仕組みを解明~病害に強い品種育成と防除法開発へ~

RESEARCH &
PROJECT

植物がリゾクトニア菌から身を守る仕組みを解明~病害に強い品種育成と防除法開発へ~

◆発表のポイント

  • Rhizoctonia solani(リゾクトニア・ソラニ)は宿主範囲の広い植物病原糸状菌であり、宿主組織を壊死させて栄養を摂取する「殺生菌」に分類されますが、本菌に対する植物の防御機構は十分に理解されていませんでした。
  • 今回、モデル単子葉植物であるミナトカモジグサの153系統の中から、R. solani AG-4 HG-I+IIの葉への感染に対して抵抗性を示す22系統と罹病性を示す6系統を比較しました。その結果、罹病性系統では菌の接種に伴って葉のリグニン(植物の細胞壁を構成する成分の一つで、細胞壁を硬くし、外部からの物理的な侵入などに対するバリアとして機能する)含量が大きく減少する一方、抵抗性系統の多くではリグニン含量が維持または増加することを明らかにしました。
  • 本研究は、殺生菌に対する植物の防御において、物理的バリアとなる細胞壁を維持・強化する能力が重要性であることを示すとともに、将来的な耐病性育種への応用可能性を示しました。

 岡山大学大学院環境生命自然科学研究科のRozi Fernanda大学院生(当時)、同大大学院環境生命自然科学研究科の渡邉恵非常勤研究員、同大学術研究院環境生命自然科学学域(農)の能年義輝教授らの研究グループは、モデル植物であるミナトカモジグサを用い、植物が植物病原糸状菌Rhizoctonia solaniに対して示す抵抗性機構のひとつとして、細胞壁を維持・強化する能力の重要性を明らかにしました。本成果は日本時間9月29日、国際植物科学誌「Plant, Cell & Environment」にオンライン掲載されました。
 R. solaniは担子菌に属する宿主範囲の広い植物病原菌であり、イネ紋枯病をはじめ、さまざまな植物の根、地際部、地上部に感染し、収量や品質の低下を引き起こします。土壌中に生息するため殺菌剤での防除が難しく、また植物組織を壊死させながら感染する性質をもつことから、強い抵抗性を示す作物品種の育成も容易ではありません。今回、本菌と植物との攻防の場として植物細胞壁が重要であることが明らかになったことで、今後の耐病性育種や新たな防除法の開発につながることが期待されます。

<詳しい研究内容について>
植物がリゾクトニア菌から身を守る仕組みを解明~病害に強い品種育成と防除法開発へ~

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