羽はなぜ伸び止まる?――羽の長短を分けるホルモン代謝のしくみに迫る

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羽はなぜ伸び止まる?――羽の長短を分けるホルモン代謝のしくみに迫る

◆発表のポイント

  • ヒヨコの長く伸びる羽と短い羽を比較し、羽の成長停止に伴ってホルモン関連遺伝子の発現が大きく変化することを発見しました。
  • 羽が成長するときには甲状腺ホルモンを活性化し、成長停止に向かうときには不活性化する方向へ、羽の中のホルモン代謝が変化する可能性が示されました。
  • 本成果は、なぜある羽は長く伸び、別の羽は短いままなのか、毛や羽の長さが決まるしくみを理解する手がかりになります。

 

 私たちの髪の毛は長く伸びるのに、眉毛やまつ毛、体毛はある程度の長さになると成長が止まります。同じように、鳥の羽にも長く伸びる羽と短いまま成長を終える羽があります。しかし、こうした「長さの違い」がどのように生み出されるのか、そのしくみは十分に分かっていません。
 岡山大学大学院環境生命自然科学研究科博士前期課程(研究当時)の篠原 正充さんと岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域(理学部生物学科)の竹内栄教授らの研究グループは、ヒヨコの翼に隣り合って生える、長く伸びる羽(主翼羽)と短い羽(覆主翼羽)に着目しました。同じ個体の同じ翼にありながら、なぜ一方は長く伸び、もう一方は早く成長を止めるのでしょうか。両者の成長過程を比較したところ、短い羽が成長停止に向かうのに伴って、特定の遺伝子の発現が大きく変化することが明らかになりました。
 特に、成長を続ける羽では甲状腺ホルモンを活性化する酵素の遺伝子発現が比較的高く保たれる一方、成長停止に向かう羽ではその発現が低下し、逆に甲状腺ホルモンを不活性化する酵素の遺伝子発現が増加していました。これらの結果から、羽が成長するときには甲状腺ホルモンを活性化し、成長停止に向かうときには不活性化する方向へ、羽の中のホルモン代謝が変化する可能性が示されました。
 本研究は、同じ個体の中でも、なぜある羽は長く伸び、別の羽は短いまま成長を終えるのかという問いに、ホルモン代謝という新たな視点から迫るものです。この成果は、毛や羽などの皮膚付属器の長さがどのように決まるのかを理解する手がかりになると期待されます。
 本研究成果は、2026年9月16日に国際学術誌「Domestic Animal Endocrinology」オンライン版に掲載されました。

<詳しい研究内容について>
羽はなぜ伸び止まる?――羽の長短を分けるホルモン代謝のしくみに迫る

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