ナノデバイス・材料物性学
半導体は、コンピューターの中だけではなく、太陽電池や熱電変換素子などの発電素子、温度や光を感知するセンサーなど、様々な所に使われています。私たちは、現在広く使われているシリコンに加えて、カーボンナノチューブや半導体性ナノシートなどの機械的柔軟性と優れた電気的特性をもつ新しい半導体材料を研究対象として、ナノスケール(1mの10億分の1)での構造制御・設計から実用スケール化まで、一連の研究を行っています。また、欠陥評価・制御による半導体材料の特性の向上を目指す研究も行っています。
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カーボンナノチューブは機械的柔軟性と優れた電気的特性をもつナノ材料です。カーボンナノチューブは発電素子や強強度線材などへの応用が期待されています。私たちは、カーボンナノチューブの構造を精密に制御する制御成長技術を基に、原子スケールでの材料設計によるデバイスの高性能化を試みています。カーボンナノチューブを用いた革新的なナノデバイス開発によって、環境問題や福祉、医療などの社会問題の解決を目指します。
原子レベルの厚みをもつ半導体材料は二次元半導体と呼ばれています。二次元半導体はシリコンに替わる新しい半導体材料として期待されています。遷移金属ダイカルコゲナイドを初めとする二次元半導体の光電子デバイス応用に向けて、高品質な二次元半導体を合成する手法や原子レベルでの構造制御手法について研究を行っています。
プレスリリース一覧
- 原子層半導体の一次元構造化に成功~次世代ナノスケール光電子デバイスへの応用に期待~(2023年05月12日)
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ヤーヌス構造をもつ二次元半導体の生成と生成過程の解析に成功~二次元半導体の新しいデバイス応用展開に期待~(2023年05月12日)
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閉じ込め空間を利用した原子レベルに薄い半導体の大面積・高品質合成に成功~次世代フレキシブル光電子デバイスの実現に期待~(2022年07月08日)
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メモリスティブな振る舞いを持つ新規材料を発見~人間と同様の思考を持つコンピュータの実現に向けて~(2021年08月11日)
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パワー半導体材料であるシリコンカーバイドは実用化が進んでいますが、順方向通電動作中の積層欠陥の発生が大きな問題です。この現象を支配している部分転位の電子励起下での運動を、走査型電子顕微鏡を使って観察し、その特性を転位運動の素過程のレベルから解明すること目指した研究を行っています。